自民、公明両党は五日、高齢者虐待の発見者が市町村に通告する努力義務や具体的な保護措置などを定めた「高齢者虐待防止法案」を二十一日招集予定の通常国会に議員立法で提出する方針を固めた。高齢者虐待の防止を目的とする初の法律の制定により、虐待の予防や、早期介入を実現したい考えだ。民主党に同調を呼びかけ、通常国会での成立を目指す。
公明党厚生労働部会高齢者虐待防止対策ワーキングチーム(座長・古屋範子衆院議員)がまとめた法案要綱原案は、高齢者虐待について、(1)身体に外傷が生じ、または生じる恐れのある暴行(2)看護のネグレクト(放棄)(3)著しい心理的外傷を与える行為(4)性的嫌がらせ(5)財産を侵害する行為―と定義した。
家族などによる虐待防止措置として、虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は、速やかに市町村に通告する義務を定めるとともに、虐待を受けた高齢者は市町村に申告することができるとした。通告・申告を受けた市町村は、事実を確認したうえ、老人ホームへの入所措置を含めた相談、指導、助言を行う。
施設職員による虐待防止措置としては、事業者に対して、職員の研修や苦情処理体制の整備などを義務づける。都道府県には、老人福祉法、介護保険法などに基づく監督権限の適切な行使を求めている。
児童虐待防止法は二○○○年五月、DV(ドメスティック・バイオレンス=配偶者などからの暴力)防止法は二○○一年四月にそれぞれ成立したが、高齢者虐待に関する法整備は遅れていた。 |