福祉新聞 1月24日
1)高齢者虐待防止法案
  公明党厚労部会 骨子まとめ自民と調整

  発見者に通告努力義務

2)障害3団体 「介護保険の活用を」
  集会に2000人 地域生活の実現訴え
    



1)
 自民、公明両党はこのほど、高齢者虐待防止法の制定に向けた調整に入った。公明党厚生労働部会のメンバーはすでに法案の骨子をまとめており、今国会提出を目指して近く与党内でプロジェクトチームを発足させる。
 公明党の古屋範子衆院議員らがまとめた骨子によると、法律の目的は「高齢者への虐待を防ぐ、または被虐待者を保護するための措置を定め、高齢者を養護する者への支援策を講じることによって高齢者の権利擁護を図ること」。
 高齢者虐待の定義は、六十五歳以上の高齢者に対し現に養護する者が行う行為で、(1)身体に外傷が生じ、または生じる恐れのある暴行(2)看護のネグレクト(3)著しい心理的外傷を与える行為(4)性的嫌がらせ(5)財産を侵害する行為―の五つ。
 家族による虐待を発見した人は、市町村に通告することが努力義務となる。通告を受けた市町村は、相談に応じた上で介護保険の在宅・施設サービスを提供したり、成年後見開始の審判申し立てを行ったりする。
 市町村の役割はこのほか、予防・早期発見・解決のために関係機関との協力体制を作ること、高齢者を養護する人の負担を軽くするための施策を講じることなどがある。
 一方、施設職員による虐待を発見した人は、都道府県に通告することが努力義務となり、都道府県は老人福祉法、介護保険法による監督権限を行使する。
 事業者側の役割としては、虐待防止のための職員研修、苦情処理体制の整備などに取り組むことを挙げている。
 高齢者虐待は介護保険の導入を契機に表面化した。厚生労働省が二○○三年末、在宅介護支援センターなどを対象に全国調査したところ、家庭内で虐待を受けた高齢者の一割が命の危険を感じていたことなどが判明。介護現場の関係者からは「法的な根拠がないため、家庭には介入しにくい。新たな法整備が必要」といった声が上がっている。


2)
 「介護保険制度を利用した障害者地域生活支援システムの確立」を求める全国緊急集会が十二日に都内で開かれた。主催は日本身体障害者団体連合会、全日本手をつなぐ育成会、全国精神障害者家族会連合会の主要三団体で、二千人ほど入る会場は満席となった。
 介護保険制度改革では、改正法案の付則に被保険者・受給者の範囲拡大が盛り込まれる見込みだが、具体的にいつどのような形で実施するかまで明記されるかは流動的。障害保険福祉施策改革のグランドデザインについても議論の真っ最中、また障害者自立支援給付法案の国会提出も目前という状況下で集会は企画された。
 集会のアピールポイントは、「介護保険制度を若年障害者も活用できるようにすべき」だ。社会参加など特別なニーズに対応する「障害福祉」と介護に対応する「介護保険」の二制度を車の両輪とする方法が最良の策だと一行は訴える。ただし利用者負担に関しては個人単位に見直すよう求め、世帯単位と扶養義務の考え方を批判した。
 アピールは障害者施策全般に及んだ。就労と年金による所得保障、居住支援、外出や移動手段の保障、郵便料金の減免制度存続なども求め、「障害者が当たり前に地域生活を送れるように」と強調した。実行委員長の兒玉・日身連会長は「国・社会全体で取り組むべき」と呼びかけた。
 ただ、介護保険の範囲拡大に関しては、拡大したい厚労省と慎重な与党との間で調整が続いている段階だ。集会には尾辻秀久・厚労相が駆け付け「心強い。障害の有無に関係なく安心して暮らせる自立と共生の地域社会づくりに道筋を付けたい」と語った。
 また、塩田幸雄・障害福祉部長は「介護保険改正法案の本則に範囲拡大を盛り込むのは難しい情勢だが、方向性は付則に書き込まれるので、できるだけ早く障害者が活用できるよう期待する」とし、障害者自立支援給付法案については「二月初旬に提出しても審議は四月ごろになるのではないか」と述べた。
 なお、集会には、八代英太・自民党、古屋範子・公明党、山井和則・民主党の各衆院議員らも参加。八代議員は「十七日から障害者自立支援給付法案の勉強会を始める」とした。



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