新エンゼルプランや待機児童ゼロ作戦など、これまでも少子化対策の様々な取り組みが行われてきましたが、依然、少子化傾向に歯止めがかかっておらず、これまでの施策の検証や効果的な支援策について、さらなる検討が必要です。
子どもを産み育てることは個人の選択の問題でありますが、産み育てる意志がありながら様々な阻害要因がある時、それを排除するのは国の責任であると同時に社会全体で責任を分担する仕組みが必要と考えます。子育ての経済的・精神的負担など、あらゆる手立てを講じてその要因を排除し「子育ての安心」を確保しなければなりません。
また、これまでの政策は子どもを産み育てる「親」に対する対策が中心でしたが、視点を移し「生まれ出る生命」「生まれた子どもた
ち」に対する対策を考え実行することが重要です。生まれ育つ主役は子どもたちであり、育つ環境がどのようなものであれ、公平に社会からの支援を受ける権利があるからです。
公明党は、「子どもの幸せ」や「子育ての安心」が確保される社会こそ、国民すべてにやさしい社会であるとの考え方に立ち、子育てを社会の中心軸に位置づけ、社会全体で支援するシステムを構築すべきと考えます。明日を担う子どもたちの健やかな成長のため、「チャイルドファースト」(子ども優先)社会の構築を目指し、以下の具体的項目について提案するものです。平成18年度予算での実現を目指しますが、合意に時間のかかる問題も含まれています。
公明党が全力を挙げて、早期に実現を目指す課題であります。
1、もっと、子どもの笑顔を。国に子育て支援大臣を
○次世代育成支援特命大臣(仮称)の設置
*政府の次世代育成支援施策を総合的に推進する。
*大臣の下に担当局をつくり、各省庁の連携を強化する。
*民間との協力体制をつくり、改革への運動を展開する。
2、もっと、「生まれたい社会」へ。子育て中心の社会へ
○児童手当の拡充
児童手当の対象年齢を小学校6年生まで拡充し、所得制限を緩和する。
将来的には中学校3年生までの引き上げを目指す。
○乳幼児医療費助成・軽減の拡充
対象年齢の拡大など乳幼児医療費の助成・軽減措置を国・地方で連携して推進する。
*医療費助成の対象年齢を拡大し、所得制限の撤廃を目指す。
○小児救急医療体制等の充実 子どもの病気の緊急時に夜間・休日でも対応できるよう、
小児科医師を基幹病院に集約し、地域の小児救急医療体制の充実を図る。
また、病気回復期の乳幼児を一時的に預けられる病後児保育を充実する。
○出産育児一時金等の見直し
出産育児一時金を引き上げ、妊産婦健診の助成を拡大する。
また、不妊治療の助成を充実する。
○保育サービス間の連携強化
自治体が軸となって、幼稚園・保育所とファミリーサポートセンター、ベビーシッター等の保育サービス間の連携の推進を図る。
○子育て支援ネットワークの充実
地域で実施されている独自の子育て支援ボランティア・NPO等の育児支援組織の公的支援の拡充を図る。
○地方自治体の子ども担当窓口の一本化
福祉・教育などに分かれている地方自治体の子ども担当窓口の一本化を推進する。
また、地域における異世代間交流の活性化を図る。
○奨学金制度の拡充
基準を満たす希望者全員に奨学金を貸与するよう制度の充実を図る。
○ひとり親支援
シングルマザーの個別の状況に応じた自立・就労支援をハローワーク等と密接な連携を図りながら促進する。
シングルファーザーも含め、子育て支援を強化する。
3、もっと、子どもへの時間を。生活時間を犠牲にしない働き方へ
○両立支援に取り組む中小企業への助成
育児休業や短時間勤務など安心して出産し、働きながら子育てをすることができるように積極的に取り組む中小企業への支援を進める。
*育児両立支援の助成事業の拡充
*育児休業や短時間勤務を奨励するため、100人未満の中小企業に対して、一人当たり100万円の助成を行う。
○男性の育児休業取得の拡充
男性の育児休業取得を進める企業への支援制度を創設する。
育児休業を父親が必ず何日か取得する「父親割り当て制」(パパ・クオータ)の導入を目指す。
○事業所内託児施設の拡充
事業所内託児施設の設置・運営に係る助成の拡大と設置推進に向けた自治体との連携の強化を図る。
4、もっと、子どもに安心を。子育て優先の街づくりへ
○住宅施策の拡大
保育所を併設した住宅の供給を推進するとともに、新婚・子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、
公営住宅、特定優良賃貸住宅への入居に関する収入基準の緩和や優先入居を進める。
また子どもが増えた場合の公営住宅間の住み替えの円滑化を図る。
○バリアフリーの街づくりの推進
公共交通機関、歩行空間、建築物のバリアフリー化を進め、妊婦、子ども、子ども連れのための
「あんしん歩行エリア」を拡大する。
また、都市公園等の整備を進めることにより、子どもの遊び場の確保に努める。
○妊婦バッジの普及
母子手帳発給時に、「妊婦バッジ」の全国での配布を目指し、妊婦の生活環境の改善を図る。
(公明新聞:2005年4月1日付)
「チャイルドファースト」社会の構築に向けて |