取り組んでいます

平成十六年十一月五日



○古屋(範)委員 昨年公明党の古屋範子でございます。
 本日は、児童福祉法の一部を改正する法律案につきまして、厚生労働大臣にお伺いをしてまいります。

 公明党の強い主張が随所に反映されました改正児童虐待防止法が十月一日に施行され、一カ月余りが過ぎました。昨年八月、私が衆議院の予定候補者になりましたときに、厚生労働大臣に見直しとまた対策強化を申し入れ、その申し入れを行ったのがまさしくこの児童虐待防止法でございまして、私たちが推進してきたその改正法が実現したことに、大変感慨深いものがございます。

 厚生労働省が本年九月に発表した昨年度の児童虐待相談処理件数は二万六千五百六十九件、前年より二千八百三十一件増加をしております。これは、十年前と比較いたしますと一六・五倍と、増加の一途をたどっているわけでございます。虐待のすそ野が広がっているというふうに考えられます。

 こうした現状を見ますと、改正児童虐待防止法に基づく早期発見や自立支援など、行政の早急な体制整備が求められていることがわかると思います。この改正法は、国と地方自治体の責務として、虐待の発生防止から子供の自立に至るまで、切れ目ない支援を行うことを主眼とするものであり、これまでの待ちの支援から積極的に打って出る支援への転換であり、防止への大きな効果が期待されているところでございます。

 虐待防止策の充実強化を図るためには、児童相談所の充実強化を盛り込んでいる今回の改正案は、さきに施行されている改正児童虐待防止法とあわせて両輪となる大変重要な法律であり、早急に成立させるべきと考えております。
 ここで、改めまして、施行一カ月余りを経過した児童虐待防止に関する尾辻大臣の御所見をお伺いいたします。

○尾辻国務大臣 改正されました児童虐待防止法が十月一日から施行されたところでございますけれども、大変残念なことに、施行後におきましても、子供の虐待死など痛ましい事件が後を絶ちません。再三申し上げておりますけれども、児童虐待への対応は、社会全体として早急に取り組むべき極めて重要な課題であると認識をいたしております。そして、こうした児童虐待に対応していきますためには、先生お話しのように、発生予防から虐待を受けた子供の自立に至るまでの、切れ目のない支援体制の確保が急務でございます。

 こうしたことを踏まえまして、これまた今お話し申し上げましたように、今般の児童福祉法の改正をお願いいたしておりますし、さまざまな政府の手を打っておるところではございますけれども、虐待という重大な権利侵害が繰り返されることのないように、私どもはできる限りのことをしていかなければならない、そう考えておるところでございます。

○古屋(範)委員 大臣も、大変この問題に関しましては深い御認識をお持ちというふうに伺わせていただきました。

 次に、この虐待予防の強化策として、育児支援家庭訪問事業についてお伺いしてまいります。

 私も今、高校生の子供がおりますけれども、子育て、子供が幼いころ、夫が海外出張が多く、ほとんど二人でいなければいけない、そういう中で、母親が虐待に至るケース、その心理というものもわからなくはないという気がいたしております。多くの周りの友人に支えられて、助けられていたという記憶がございます。

 この育児支援家庭訪問事業、新座市に参りましたときも、そこでも、初めてのお子さんが生まれたときには保健師が家庭訪問するという、大変これは喜ばれているというような地域も見てまいりました。この育児支援家庭訪問事業は、我が公明党がマニフェストに明記するなど強く要望してきたもので、出産後間もない時期や家庭に問題を抱えている親などが対象となります。保健師などが直接出向いて育児支援をすることで、育児不安やストレスを解消し、虐待を事前に食いとめる効果があるというふうに期待されているものでございます。

 これまでの児童虐待防止策は、虐待が起きてしまってからの対応に追われていた。その一方で、予防対策として、親同士が交流するつどいの広場の普及、また、虐待の兆候を見抜くために乳幼児健診に保育士を同席させるなどの取り組みは推進されてまいりました。しかし、健診に来ない、家に引きこもっている、このような家庭には目が届きにくいのが現状でございます。

 こうした健診に来ない家庭も含め、幅広く訪問し、積極的に虐待の予防につなげる。本年度、約二十億円の予算を組んでこの育児支援家庭訪問事業が実施されておりますが、予算化した自治体は百二十五市町村と、当初予想した約一割、大変低い率にとどまっております。各自治体は、財政が苦しい中、数字にあらわれる効果が確認しにくい事業には予算をつけにくいとおっしゃいますが、既に導入し、手ごたえを感じている自治体も少なくありません。

 虐待を事前に食いとめる効果が期待されている本事業の取り組みの現状とともに、さらに広く活用するための啓発や具体策について、どのようにお考えでしょうか。

○伍藤政府参考人 育児支援家庭訪問事業につきましては、委員御指摘のとおり、私ども、約千市町村ぐらいで取り組んでいただくという前提で予算を今年度計上いたしましたが、現在、百二十五市町村、実施率で一三%程度にとどまっておるという実情でございます。

 その要因、原因でございますが、先ほども申し上げましたが、自治体の財政難の中で、財政当局にこういった事業の有効性についてなかなか理解が得にくい面があるのではないか。それから、保健と福祉が連携をして取り組むというようなことも必要になってまいりますが、そういったことについての機動性がなかなか確保できない、あるいは人材が確保できないといった面もあるのかなというような気がいたしております。

 いずれにしても、私ども、個別には電話によって各市町村にお願いをするといったことまで今展開をして、この事業、ぜひ取り組んでいただきたいということをお願いしているわけでありますが、今後とも、いろいろな、あらゆる機会をとらえて、こういった事業の有効性について訴えていきたいと思います。

 ただ、今回の法案改正で、市町村が具体的に児童相談、児童の関係の相談業務を担うということが法律的にも明確にされますので、来年度以降、そういった形で、児童相談に市町村が直接対応しなければならないという法的な位置づけができてくれば、今のような任意でやる事業以上に、市町村の自覚も高まってくるのではないかというふうに期待をしておるところでありまして、こういう今回の法律の施行とあわせて、ぜひこれを浸透させていくように努力をしていきたいというふうに思っております。

○古屋(範)委員 さまざま努力をされているようでありますけれども、核家族化が進んでおりますし、また、この密室というものに風穴をあける観点からも、ぜひともこの事業、さらなる推進をお願いいたしたいと思います。

 次に、児童福祉法改正案についてお尋ねをしてまいります。

 改正案の第十条一項また二項、十一条、また第十二条では、児童相談に関する体制の充実強化策の中で、人手不足に悩む児童相談所の機能を、虐待など専門性の高い困難事例に重点化し、相談業務を市町村に分担するとしております。

 児童福祉司の不足が叫ばれている今日、育児相談などは市町村が担い、また、児童相談所は虐待など深刻なケースを取り扱う専門機関にする。この体制整備によって、児童相談所の日常的な相談業務の負担が減る分、深刻事例への緊急対応が今より可能になるのではないかということが期待をされております。

 私はこのように理解しており、考え方はそのとおりというふうに思いますが、果たして現場において、改正案に描かれているようなことが現実になっていくのかどうか。私は、児童相談所の人手不足、また過重な仕事量、非常に満杯であるというふうに思いますけれども、仕事量に変化はないのかとの危惧を抱いております。この点について、具体的な御説明をお願い申し上げます。

○伍藤政府参考人 今回の法律改正で提案をしております相談体制の役割分担でありますが、児童相談所が現状では非常にパンク状態である、こういうことから、ある程度これを専門的な相談に特化をして、基本的といいますか初歩的な相談、その他援助については市町村に役割を担っていただこうということで始めて、市町村の役割というものを法定化するということで御提案をしておるところでございます。

 こういったことによって、今御指摘のありましたように、体制はそれで本当に大丈夫かという指摘でございますが、これは、児童相談所の体制は今後どうなるのかということと、市町村の体制は大丈夫かという二つの面があろうかと思います。

 市町村につきましては、既にかなりのところでネットワークを組んでいただいて、事実上、もう先行してやっておる市町村も多うございますので、そういったことをモデルにしながら、軽度、初歩的な問題について前さばきをしていただく、こういった任務を市町村にお願いしたいということでございます。しかし、そういったものでも、やはりある程度のスタッフとかある程度の専門性が要求されると思いますので、市町村の体制整備についてはどういったことが望ましいのか、これからよく私どももあわせて検討していきたいと思います。

 それから、児童相談所がこれによって急激に事務量が減るかというと、必ずしもそうでもない。やはり、ふえ続けておる虐待相談とかそういったものにどう対応していくか。それから、市町村に任務を担っていただくとすれば、その市町村をある程度支えたり後方から支援をする、バックアップをしていただく事業も必要になりますから、こういった面で、必ずしも軽減をされるとは限りませんが、とにかく、都道府県と市町村が力を合わせて、あらゆる機関を総動員してこういった問題に対応していこうということで今回提案をしておるわけでありますので、いろいろ推移を見ながら、できるだけそういう体制の整備についても努力をしていきたいというふうに思っております。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

○古屋(範)委員 市町村とそして児童相談所、このネットワーク、また円滑なスタートをお願いしたいというふうに思います。

 次に、二十五条では、児童虐待の早期発見や予防などを目的に、保健、医療、福祉、教育、警察、司法などの諸機関が構成する児童虐待防止ネットワークについて述べられておりますが、現在、六月まで、全市町村の四割でこの設置をされているということが厚生労働省の調査で明らかになっております。

 虐待が判明しながら、各機関の連携がないままに悲惨な事件に発展するということが相次いでおります。このことを考えますと、関係機関の連携強化は大変に重要であり、全自治体への早期設置を目指し、対策を強化すべきと考えます。

 今回の改正案において、ネットワークを要保護児童対策地域協議会として法的に位置づけることにより、一日も早い体制の整備ができることが期待されておりますが、その推進についてお伺いいたします。

○伍藤政府参考人 このネットワーク、御指摘のとおり、現在、全市町村の四割程度に設置をされておる、これは任意で、自主的に設置をされておる。非常に有効に機能しておるところもございますし、形だけにとどまっておるところもありまして、精粗さまざまでございます。

 今回、法律でこの設置を法定化するということでございまして、そのねらいは、先ほども御説明申し上げましたが、やはり、中核になる責任ある機関をはっきりさせて、責任ある対応がとれるようにするということと、それから、情報の共有化を図るために、一定の守秘義務のもとに、できるだけ情報をそれぞれほかの機関に提供していただく。

 こういうことをこの法律で可能にするという観点から、これを法定化したわけでありまして、これで多分、今よりさらにドライブがかかって設置が促進されるというふうに思いますが、一応、今四割程度で、都市部はカバーをしてきておるという状況でございますので、これから、まだ虐待とかそういった問題についての認識が必ずしも高くない町村部でありますとか、そういうところにもこういうネットワークを広げていきたいというふうに思っております。

○古屋(範)委員 そのように、それぞれの機関が部分的な情報を持っていても、それを合わせることによって一人のお子さんへの虐待というものが明確になってくるというふうに思いますので、さらにこの協議会の推進をよろしくお願い申し上げます。

 次に、虐待防止のかなめとなっております第十三条関係の児童福祉司についてお伺いいたします。

 厚生労働省からいただいた資料によりますと、全国に配置されている児童福祉司の数は、本年五月現在で千八百十三人となっており、国が交付税で予算措置をする人口六万八千人に一人という基準を満たす自治体は、全体の四割となっております。すなわち、全国の都道府県のうち二十八都県が、対策のかなめとなる児童福祉司のこの配置基準を満たしておらず、急増する虐待件数に対応し切れないというのが現状であります。さらに、児童福祉司一人が年百件を超える虐待相談を受け付けるなどの対応に追われ、熱心な人ほど燃え尽きてしまうというのが現状でございます。

 こうした事態に対し、虐待防止のための予算も、今年度百六十六億円と昨年度の三倍以上獲得、また、来年度予算の概算要求でも百七十億円計上するなど、厚生労働省がこの児童虐待防止に熱心に取り組んでいる姿勢は大変評価できると思っております。
 そして、ここ数年、政府は地方交付税の算定基準における児童福祉司の数をふやし、先ほど申し上げましたように、現在では六万八千人に一人となったわけでございます。

 しかし、御存じのように、地方交付税はその使途に拘束力がないために、国が増額しても、自治体の裁量にゆだねられ、児童虐待防止策に生かされないというのが事実でございます。
 例えば、基準の倍以上の手厚い配置をしているのが青森でございます。人口約三万人に一人の割合で児童福祉司がおり、最も少ないのが岐阜県、約十二万人に一人、この格差が四倍となっております。
 国からの交付税に県費を加える県がある一方、交付税を他に回してしまう県がある。こういう事態がなぜ起きるかと申しますと、その原因は、児童福祉法施行令第二条が福祉司の配置基準を人口十万から十三万人に一人と定めている、ここが原因ではないかと思っております。

 そこで私は、この児童福祉司の増員を自治体に義務づけるために、例えば、現在手当てをされている地方交付税の増額分が生かされる数、六万人に一人などに改正すべきであると考えておりますが、いかがでございましょうか。
 児童福祉司の人数不足は、虐待対策に致命的であります。虐待されている子供は自治体を選ぶことはできない。自治体間の格差はなくしていかなければならないと考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

○尾辻国務大臣 このことは、今話題になっておることの一つでございます。

 御指摘いただきましたように、児童福祉司の配置につきましては、児童福祉法施行令におきましては、お話ございましたように、十万人から十三万人に一人という標準になっております。

 一方、このところ児童相談の件数が急増いたしておりますから、国の方でも、地方交付税の方ではどう計算しておるかといいますと、積算基礎人員の増員を図ってきておりまして、これまた今お話しのように六万八千人に一人、こういうふうになっております。

 そうすると、どういう現象が起こるかといいますと、ほとんどの都道府県が、児童福祉法施行令の標準は十万から十三万人に一人でありますから、その標準は上回っておるんですが、六万八千人に一人という地方交付税の方で計算をすると、なかなか、その積算基礎を満たしていない。これもお話がありましたけれども、満たしておる自治体が四〇%にとどまっておる、こういう現象になっております。そこで、今お話しのように、それでは、この児童福祉法施行令の方が緩いわけだからこっちを変えろという御意見があるのは、これは当然だと思っております。

 そこで、私どものこのことに対する今の考え方を述べさせていただきますけれども、児童相談に関する市町村と都道府県の役割分担の明確化などを内容とする、これは今度お願いしておる改正の中身を申し上げたところでありますが、こうした改正案だとか、それからまた、非常に今、市町村合併が大きく進んでおります。そうしたことが児童相談所の業務に及ぼす影響、評価がある程度固まった段階で、その時点で地方の自主的、主体的な判断を尊重する観点も勘案しながら検討していくことが適当であろう、こういうふうに考えておるところでございます。

○古屋(範)委員 次に、この児童福祉司の資格要件についてお伺いいたします。
 虐待防止法が制定された平成十二年には児童福祉法も改正され、その際、児童福祉司の資格要件から、養成施設卒業者に準ずる者というあいまいな規定がなくなり、新たに国家資格の社会福祉士が加わり、厳しくなりました。ところが、今回の改正案では、幅広い人材が登用できるようにとして、保健師、看護師、教員、また保育士からも登用されることが可能としております。これは、前回の改正で厳しくした資格を再度緩和しようとするものではないかという懸念の声もございます。

 児童福祉司の任用資格の見直しについては、必要な専門性を確保することが何よりも求められていると思いますけれども、この点についてはいかがでございましょうか。

○衛藤副大臣 仰せのとおりでございまして、児童相談に関して専門性を有する職員の確保が急務であるというぐあいに考えております。
 そういう中で、現行制度での任用が認められております、心理学だとか社会学だとか教育学だとか、あるいは医師だとか社会福祉士だとか、そういう専門の学科等を修めて大学を卒業した者について、相談業務に従事した一定の経験を有するものが必要というぐあいにされております。

 そういう中で、実は、それだけではどうしても不足ぎみでございますので、一定の実務経験を有することを前提に、今現場で活躍していただいています保健師、保健婦さんや保護司さん、保育士といった幅広い人材を活用するということを認めるものとしたものでございます。
 経験を有する者をもっと登用していきたいというぐあいに思っておりますので、緩和というよりも、対象者を拡大しましたけれども、専門性はもっと煮詰めていきたいというぐあいに思っておりますので、専門性を低下させるものではないという認識をいたしております。

○古屋(範)委員 ぜひそのとおり、専門性の確保をよろしくお願い申し上げます。

 次に、先ほども御質問ございましたけれども、里親制度についてお伺いをしてまいります。

 私も、神奈川県川崎市あゆみの会という里親の会、そこの西川会長にお会いし、また、実際、里親として預かっていらっしゃる方々にもお会いし、お話を聞く機会がございます。やはり、かなり重傷な被虐待児を扱っている場合に、日々そういうお子さんと向き合って、休む間がないといいますか、生活そのものも本当に縛られ、また、なかなか相談するところも少ない、機会が少ないということで、里親の方々も非常に御苦労をされているというのが現状でございます。

 今、本年三月三十一日現在、この専門里親の資格取得者は百六十九人でありますけれども、実際に委託は一割程度ということで、なかなか活用されていないというのが現実ではないかというふうに思っております。

 この里親制度につきまして、もっともっと活用すべきではないかと思いますし、また、このような大変なケースを取り扱っている里親の皆さんの負担というものも軽減すべきではないかというふうに考えております。心に傷を受けたお子さんたちが、普通の家庭環境の中でその心の傷をいやすというのは、大変大事なことではないかというふうに思っておりますけれども、このさらなる充実について、大臣の御所見をお伺いいたします。

○尾辻国務大臣 おっしゃるように、里親制度というのは大変有意義な制度であると考えます。
 ただ、ではどのぐらい活用していただいているかといいますと、今私の手元にある数字で申し上げますと、平成十五年で里親として登録していただいている方の数は七千二百八十六人なのでありますが、実際委託された里親の方の数というのは二千十九人。それから、特に専門里親になりますと、これはまだ制度ができて二年しかたっていないということもございますけれども、平成十五年でいいましても、登録しておられる方の数が百四十六人、実際に受託していただいた里親の数は二十人、こういうような数でございます。

 そこで、今御指摘いただきましたように、この里親の皆さん方の負担をできるだけ小さくしてさしあげる、こういう努力はしなきゃならぬと思っておりますので、平成十六年度におきましてどういう施策を講じたかといいますと、里親の養育負担を軽減するために、児童相談所から里親をサポートする者を派遣しその養育を援助する、あるいはまた、里親相互の交流機会を設けていろいろ話し合いをしていただく、情報交換等により里親自身の養育技術の向上を図る、そういったようなことをいたしておるところでございます。

 このようなことをいたしながら、里親制度、せっかくの制度であります、大変有意義な制度でございますから、活用が図られるよう、今後とも努めてまいりたいと考えます。

○古屋(範)委員 ちょっと時間の関係で、一問、質問を省かせていただきます。

 最後になりますけれども、小児慢性特定疾患対策の確立についてお伺いをいたします。

 これまで研究事業として行われてきた小児慢性特定疾患治療が、今回の改正で法的にきちんと位置づけられましたが、このことは、患者の皆様に安定的な制度として改善されたと喜ばれているというふうに思います。この改正に伴い、その対象疾患が四百八十八から五百十疾患に見直され、現在精査中と伺っております。

 私は、この五月、先天性魚鱗癬という病気の患者さんにお会いする機会がございました。この疾患は、皮膚が広範囲に乾燥してひび割れができ、表面が魚のうろこ状のように脱落をしていくという病気でございます。かなり御苦労されておりまして、この病名がつくまでもう何年も、何十カ所の病院にも通うですとか、また、やはり外見的な問題ですとか、水を扱っても痛むというようなことで職業にもつけない、大変御苦労されている方々でございます。
 これは十万人から二十万人に一人という頻度ですので、かなりまれな病気でございます。患者の方々は、生まれて二ヶ月たったころから顔が真っ赤な状態で、病名もわからない、風が吹いても痛む、洋服を脱ぎ着するときも痛む、また、運動などをすると、汗をかけないので体温が非常に上がる。それによって、さまざまないじめに遭ったりですとかいう御苦労をされているのが現状でございます。

 厚生労働省におきましては、平成十四年より、難治性疾患克服研究事業といたしまして、稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究を行っておりまして、私は、この夏、その研究者の一人でいらっしゃいます旭川医科大学の山本明美先生にもお伺いし、さまざまお話を伺ってまいりました。遺伝ということで、また現在治療法が見つかっていない、患者数もほぼ同じ数で推移をしているというようなお話を伺い、やはり生活がかなり大変なので、そういった支援をお願いしたいというようなお話でございました。

 この魚鱗癬という疾患についても少しずつ研究が進んでいると思いますけれども、できればこの小児慢性特定疾患の対象に、ぜひともこの魚鱗癬という疾患を指定いただければというふうに考えておりますが、御見解をお伺いいたします。

○衛藤副大臣 先天性魚鱗癬に関してでございますけれども、御承知のとおり、今、稀少難治性皮膚疾患等に関する研究を行っているところでございます。慢性疾患であることを前提といたしまして、治療方法の確立が強く求められている疾病に関しまして、症状の重さ、もう御承知のとおりでございますけれども、治癒の見通し、それから治療にかかる費用等を総合的に勘案して行うということになっております。

 追加疾患に関しましては、現在精査中でございまして、現段階で確たることを申し上げられないということは残念でございますけれども、ぜひ前向きに検討させていただきたいというふうに考えている次第でございます。

○古屋(範)委員 ぜひとも、またさらなる研究の推進をよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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