第189国会 厚生労働委員会 28号

平成二十七年七月三日

○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 きょうは、私が今抱えております諸課題について質問をしてまいります。

 まず初めに、がん対策についてお伺いをいたします。

 六月一日に、塩崎大臣が御出席になって、がんサミットが開催をされました。私も参加をさせていただきました。

 一九八一年以来、日本人の死亡原因の第一位ががんであります。国民の二人に一人ががんになるという時代であります。

 二〇〇六年に、がん対策基本法が成立をいたしました。これに向けても、公明党として、がん対策を国家戦略として、最優先課題として取り組むべきであるということで、法案の骨子から検討し、成立をリードしてまいりました。

 この中では、特に、緩和ケアの導入ですとか、あるいは放射線治療、また化学療法の拡充、がん登録などを盛り込んだところでございます。

 日本人の死因第一位であるがんについて内閣府がことしの一月に調査したところによりますと、がんに対しては七四%を超える人が怖いという印象を持っている。しかし、その反面、受診に行くとなると、なかなか行っていただけない。現在、少しずつ上がってきて、四〇%台でございます。その受けに行かない理由、受ける時間がないというのが第一位ということでございまして、怖いけれども、なかなかその受診に行くまでに至らない、忙しいということなんでしょうか。

 私たちも、がん検診率の向上に向けまして、特に女性特有のがんに関しましては、無料の検診クーポンの発行、また、二〇一四年からはコール・リコール制度、個別の受診勧奨も取り入れまして、乳がんなどでは四三・四%という受診率まで持ってまいりました。目標の五〇%までもう一歩というところまで参りました。これも全国の議員で押し上げていきたいというふうに考えております。

 一日のがんサミットの中で、大臣の方から、年内をめどにがん対策の加速化プランを取りまとめるよう安倍総理から指示があったということを伺いました。

 この加速化プランの目的また内容についてお伺いしたいと思います。

○新村政府参考人 お答えいたします。

 平成二十四年六月に閣議決定されましたがん対策推進基本計画に基づき、がん対策を総合的かつ計画的に推進してきたところでございますが、先日開催されましたがんサミットにおける安倍総理からの御指示も受けまして、より一層のがん対策の強化を図り、国民病であるがんの克服に向けて取り組みを加速し、ひいては健康寿命をさらに延ばすということを目的として、がん対策加速化プランを策定することとしているものでございます。

 塩崎大臣からは、がん対策加速化プランの策定に当たり、次の三本の柱を中心に検討を進めるよう指示を受けております。

 一つ目は、がん教育やたばこ対策、あるいは御指摘のがん検診を含めました早期発見の強化に取り組むがん予防を進めまして、避けられるがんを防ぐということ、二つ目は、難治性がん等の研究の推進に取り組む治療研究を推進し、死亡者数の減少につなげていくこと、三つ目といたしまして、緩和ケア、地域医療、あるいはがんと就労との問題に取り組む、がんとの共生を進めて、がんとともに生きることを支援するというものでございます。

 今後、これらの三本の柱につきまして、具体的な施策を関係省庁とも連携して検討いたしまして、年内をめどに、がん対策加速化プランを策定してまいりたいと考えております。

○古屋(範)委員 総合的な加速化プランを策定されることになるのかなというふうに思います。ぜひ省庁横断的なしっかりとした意欲的なプランを策定されるよう、期待をしております。

 先ほど申しましたように、がん対策基本法が成立をして、はや九年になります。受動喫煙の防止ですとか、また、がん患者の就労の問題あるいはがん教育など、課題があるというふうには思っております。

 がん教育につきましても、二〇一四年から全国の学校でモデル事業を行いまして、これも、ぜひとも全国展開をしていきたいというふうに考えております。この事業を通して、児童生徒が、がんを知っていく、また命の大切さを知っていくということが、ひいては受診率の向上、がん予防にも結びついてくるのではないかというふうに思います。

 また、二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピック東京大会がございます。これまでオリンピックを開催してきた都市を見てみますと、その都市あるいはそこを含む国において、やはり受動喫煙防止対策の法整備が進んできております。

 我が国はやはりここのところができていないという現状でありまして、二〇二〇年に向けても、このがん対策基本法の改正をまず、議員立法でしたが、進めていきたいというふうに考えておりますし、特に受動喫煙防止に関しましては進めていく必要があるのだというふうに考えております。

 塩崎大臣に、がん対策強化の御決意を伺いたいと思います。

    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

○塩崎国務大臣 がんサミットへの御参加、ありがとうございました。

 先ほど来お話がありましたように、がんは、引き続き、日本では死亡率の第一位。そして、国民の二人に一人は生涯に一度はがんになる、そして三人に一人はがんで亡くなるという現実でございます。

 厚労省では、がん対策推進基本計画において、七十五歳未満の年齢調整死亡率というのを二〇%、この十年間で減少させるという全体目標を設定しております。この取り組みを進めてまいりましたけれども、最新の推計を見ますと、この目標の達成が厳しい見込み、難しいという見込みになってきております。

 具体的には、ちょっと特徴を見ますと、最近の十年間は、それまでの十年間と比べますと、子宮頸がんの死亡率の増加が加速傾向にある、乳がんの死亡率は横ばいにとどまっている、それから肺がん、大腸がんの死亡率の、減少傾向ではあるんですけれどもこれが鈍化してきているといった特徴がある。

 また、今の、がんの年齢調整死亡率の国際比較をしてみますと、日本というのは主要三十五カ国中五番目で、低いと一応言えるわけでありますけれども、過去二十年間の死亡率の減少を見てみると、減少率は平均、つまりこれはOECDの平均が一四・四%に対して、日本は一一・五%ということで、三十六カ国中二十四番目ということで、死亡率の減少率が平均よりも低いということが言えようかと思います。

 国民病であるがんを克服して、世界に誇る健康長寿大国を確立するためには、がん対策をさらに加速して大きく前進させていかないといけない、これが急務だというふうに認識をしているわけであります。

 そこで、先日のがんサミットにおける総理の御指示を踏まえて、今局長から答弁申し上げたように、がん予防、治療研究、がんとの共生、この三つの柱を大きな柱として、がん対策加速化プランを年内めどに作成するということにしておりますし、より一層のがん対策の強化、この中には、今のオリンピック・パラリンピックを控えて受動喫煙をどう防止するかということを法的にどうするかということを含めて、しっかりと強化を図って、国民のがん対策に対する期待に応えていかなければならないというふうに思いますし、このプランに基づいて、さらなるがん対策の充実を図ってまいりたいというふうに思います。

○古屋(範)委員 ありがとうございます。

 大臣を筆頭に、がん対策の強化を進めていっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 次に、介護保険の補足給付の厳格化について質問をしてまいります。

 特別養護老人ホームで暮らす高齢者に、居住費、食費、この負担を軽くするという目的で支払われております補足給付、この八月から、基準額を超える預貯金を持っている高齢者を対象にこれを除外していく、支給の要件を厳格化するということが決まっております。

 高齢者の中では、資産を取り崩しながら暮らしている人もいるということで、資産額にも高齢者によって非常に大きな差があります。所得は少ないけれども非常に資産が多いという方もいるわけで、一律に低所得者として分厚い社会保険給付を行うというのはある意味不公平だろうという考え方で、経済的に余裕のある方には少し我慢をしていただいて、資産も考慮して負担能力を判断するということはやむを得ないというふうに思います。

 この中で、八月一日からの補足給付の申請には、預貯金等が一定以下、具体的には、単身で一千万、夫婦で二千万以下とされております。

 先日、若年認知症の御家族の方から御相談がありました。この方の御主人は、五十歳のとき若年認知症を発症した。妻が、五十六歳なんですけれども、非常に病気がちである、収入がゼロということで、御主人の障害年金と預貯金で生活をしているけれども、今回の見直しにより、今後どうなるか非常に不安だというお手紙がございました。月々の負担が一気に五万円ふえていくということであります。

 この方はお子さんがいらっしゃらないんですが、若年認知症の場合、もしお子さんがいらした場合には、教育費などもかかっていくというようなことも配慮をしなければいけないのではないか。また、若年認知症で離職した場合には、一時金、退職金などが支払われて、預貯金があるという方もいらっしゃるんだろうというふうに思います。

 この若年認知症の方々に関しまして、実態をしっかり調査して、それを踏まえて、若年性認知症に配慮した資産要件というものが必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○三浦政府参考人 施設に入所などする場合には、御指摘ございましたとおり、食費、居住費は原則自己負担でございますけれども、所得の低い方の負担軽減を図るため、いわゆる補足給付を支給しているところでございます。

 昨年の介護保険制度の改正の中で、補足給付についても、在宅で介護を受ける方との公平を図るというような観点などから要件の見直しを行うこととしておりまして、本年八月から、施設入所者と別世帯であっても配偶者が課税されている場合や、一定額を超える預貯金などがある場合には、補足給付の対象外とすることとしているところでございます。

 今回の見直しに当たりましては、二号被保険者、若年の方について、適用を除外するというような特段の取り扱いをしておりません。それは、補足給付というのは、他の給付とは異なりまして、負担能力に応じた福祉的性格を持つものでございまして、負担能力のある方には御負担いただくべきものであるということ、預貯金の基準は一定の余裕を持って設定していること、幾つかの自治体に二号被保険者の補足給付受給者の状況というものを調査したところ、ほとんど五十代後半からの受給であるということや、あるいは受給期間も、必ずしも、高齢である一号被保険者の受給者と比較して、著しく長期間となっているということではないというようなことを踏まえたものでございます。

 なお、預貯金額の基準を下回れば、当然補足給付の受給は可能になりますし、また、住宅ローンなどの負債がある場合は、預貯金から控除するということが可能になっているところでございます。

 今後、今回の見直しの施行状況を把握する中で、御指摘の若年性認知症の方の実態についてもよく把握してまいりたいと考えているところでございます。

○古屋(範)委員 引き続き、この補足給付について質問してまいります。

 今回の見直しによりまして、世帯分離をしていても、配偶者が住民税課税対象である場合は補足給付の対象外となる。省令で、配偶者が行方不明、あるいはDV被害者の場合に加えて、その他これらに準ずる場合を除くということが盛り込まれております。このような方は、つまり、引き続き対象としていくということであります。

 この、その他これらに準ずる場合、DVですとか行方不明に準ずる場合というのはどういうような場合なのか。例えば、経済的なネグレクトに遭っている場合は、配偶者から生活保持義務履行は望めないわけであります。こうした場合は、引き続き補足給付の対象とすべきではないかというふうに思います。いかがでしょう。

○三浦政府参考人 今回の制度の見直しに伴いまして、補足給付の支給要件を見直し、新たに、世帯分離をした配偶者の所得も勘案して、配偶者が課税の場合は支給対象外とすることとしております。これは、配偶者間には、民法上、他の親族間より強い生活保持義務があるというようなことを考慮してのものでございます。

 一方で、いわゆるDV防止法に基づく通報があった場合、配偶者が行方不明の場合、あるいはこれらに準ずる場合には、配偶者の所得を勘案することは適当ではないということから、勘案しないということにしているところでございます。

 御質問の、これらに準ずる場合ということにつきましては、経済的虐待に当たる場合も含むと考えておりまして、御指摘を踏まえまして、今後速やかに各自治体にその旨を周知してまいりたいと考えております。

    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

○古屋(範)委員 経済的な虐待に遭っている場合は補足給付の対象としていくということを確認させていただきました。

 次に、難病対策について質問してまいります。慢性疲労症候群、筋痛性脳脊髄炎について質問をしてまいります。

 この患者は、推定で全国で二十四万から三十万とも言われております。その発症の原因というものはわかっておりませんけれども、患者のQOLを著しく低下させる病気でございます。

 厚生労働省は、昨年の秋からことしの一月にかけて、初めて重症患者の実態調査を行われました。患者の三割が寝たきり、それに近い重症であるということがわかりました。家事、通院だけで動けなくなったり、また寝込んだりしてしまうということで、家事の後症状が悪化する人が九四%に達している。また、重症者の九六%が通院後は寝込んでいるということであります。

 私は、NPO法人筋痛性脳脊髄炎の会の篠原理事長にお会いをいたしまして、患者の厳しい生活実態というものを伺いました。

 この四月、院内集会では、新たな治療法として着目をされております和温療法、体を温めていく療法のようなんですが、温熱療法が症状の緩和に有効である、この治療を早期に受けるほど回復率が高い。また、昨年の国際温泉気候学会では、温熱療法を行った患者九人のうち七人が改善をされているということが報告をされております。

 今回の調査で、約三割が重症だということがわかり、日常生活の困難度も非常に顕著であるということがわかりました。支援が必要だというふうに思います。

 客観的診断基準の確立に向け、さらに取り組みを加速化していただきたい。そして、難病対策の助成対象、指定難病としていただきたいというふうに考えます。また、この和温療法について、治療法のエビデンス、検証を構築するための研究事業も行っていただきたいというふうに思います。

 これについてお伺いをいたします。

○新村政府参考人 お答えいたします。

 難病法の指定難病は、希少性について、人口のおおむね〇・一%程度に達しないこと、それから、対象疾病の範囲を明確にするため、客観的な指標に基づく診断基準が確立されていることなどの要件を満たすことが必要でございます。

 御指摘の慢性疲労症候群については、患者数が二十ないし三十万人程度と言われ、人口の〇・二%程度であるということ、それから、自覚症状に基づいた診断方法がとられておりまして、客観的な指標に基づく診断基準が確立していないことから、現時点では、指定難病の対象として検討する段階には至っていないと考えております。

 しかしながら、慢性疲労症候群の患者さんにとりまして、正しく診断がなされ、適切な治療を受けられるようにするということが重要であると考えておりまして、現在、日本医療研究開発機構の研究班におきまして、客観的な指標に基づく診断基準の作成を目指した研究を進めるとともに、今年度から新たに治療ガイドラインを策定するための研究も開始したところでございます。

 患者様のQOLを高めるために、御指摘のありました和温療法も含め、さまざまな治療方法につきましてその有効性等を検証しているところでございまして、それらを集約して、治療ガイドラインとして整備していくという研究を推進していきたいと考えております。

○古屋(範)委員 ありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

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