第189国会 厚生労働委員会 13号

平成二十七年五月十三日

○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 本日は、女性医師の活躍支援と、それから介護休業制度の見直し、この二つのテーマでお伺いをしてまいりたいと思います。

 近年、女性医師の割合がふえてきております。厚生労働省の調査によりますと、平成四年以降、医療施設に従事する女性医師数の推移というものが、やはり毎年千五百人から二千人増加をしているということでございます。平成二十四年末時点でも五・七万人、平成四年当時二・五万人程度でしたので二倍以上となっているわけであります。女性医師の割合も、平成四年には一一・七%、二十四年には一九・六%と増加をしていることがわかります。

 女性医師の場合には、どうしても、妊娠、出産、育児ということを経なければいけないというようなことから、なかなか、特に病院医として就労していくというのが難しい面がございます。しかし、医師不足、医師の偏在化ということを考えますと、やはり女性医師がどう働き続けられるかが大変大きなテーマになってくるのだろうというふうに思います。

 私も、初当選直後から約十年間、この医師不足問題、また特に女性医師の問題については取り組んでまいりました。

 特に小児医療、産科医療の現状を見ますと、女性が小児科医あるいは産科医になるというケースが多いので、やはり、女性医師が働き続けられる、ここのところもいろいろな意味で改善してくるということが期待をされます。当委員会でも何度も取り上げてまいりまして、女性医師バンクへの支援の重要性でも指摘をしたところでございます。

 年齢階級別の女性医師の割合を見ますと、年齢が下がるにつれて女性医師の割合は高くなる。特に二十九歳以下が三五・四%となっておりまして、小児科、産科に限らず、他の診療科においても女性の割合がふえてくるということが予想されます。

 こうした意味で、女性医師の支援の重要性について、まず大臣の御所見を伺いたいと思います。

○塩崎国務大臣 今お話がございましたけれども、現在、医師の約五分の一、そしてまた医学生の約三分の一が女性ということになっておりますけれども、特に女性医師は、今先生から御指摘のように、妊娠、出産などがあってキャリアを中断せざるを得ない場合があるわけでございます。そして、こうした面にも配慮をしながら、女性医師がまた妊娠、出産からカムバックできるとか、そういうような働き続けやすい環境を整備するということが、御本人にとっても、そしてまた我が国全体にとっても、医師確保という面で大変重要な問題だということを厚労省としてもよく認識をしているわけでございます。

 厚労省としては、女性医師バンク、今お話がありましたこの事業や、それから、復職に関する相談窓口に対する財政支援を初め、さまざまな取り組みを進めております。

 さらに、去年の八月に、省内に事務次官をヘッドといたします女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会というのをつくりまして、ことしの一月に報告書をまとめていただきました。その中には、職場の理解とか、あるいは保育環境、復職支援、診療体制、勤務体制、いろいろな面での具体的な提言というものを入れていただいているわけであります。

 今後とも、より一層女性医師が働き続けやすい環境整備に努め、それによって、いろいろな面で女性があるべきシェアを、ちゃんと責任を担っていただくことで社会全体がうまく回っていくようにお願いできたらなというふうに思っております。

○古屋(範)委員 今大臣の御認識を伺うことができました。やはり女性医師の活躍の重要性、これに関しては、さまざま取り組みをされているんだろうというふうに思います。

 今大臣が触れられましたけれども、女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会というものを設置されて、この一月に報告書が取りまとめられたところということでございます。私も、いろいろとこれは拝見をさせていただきました。

 この中でいろいろな調査もされているんですけれども、産婦人科医の場合に、やはり、特に二十九歳以下の六八・六%が女性であるというような調査結果も出ております。また、病院に勤務する医師において、短時間正規雇用及び非常勤の占める割合というのが女性の方が男性に比べて多いということも、やはり正規の採用として医師を続けていくことがなかなか女性の方が難しいというような結果も出ております。

 また、視点としても、若い世代の仕事や家庭に対する意識が変化をしている、同僚でもある男性医師も育児とさらにかかわる者がいる、男女とも自身の傷病のため通常の仕事を行うことが難しくなる医師もいる、今後、介護が必要な家族を抱える医師もふえることが見込まれており、女性医師が働き続けやすい環境の整備は、男女にかかわらず、全ての医師のこれらのニーズに応えていくことになるんだろう、そのような取りまとめがございます。

 大臣も女性医師の活躍が非常に重要であるということなんですが、これを具体化していくということが早急に求められていると思います。

 この報告書の中にも、医療機関等における環境整備の進め方として、職場の理解、窓口相談、勤務体制、診療体制、また保育環境、復職支援等について、それぞれの課題と取り組みの方向性が示されております。

 例えば、子育て中の医師が情報交換する場の設置や、院内保育所の柔軟な運営、勤務時間が短い医師の手当、やはりそれを公表する、いろいろな公平感のためとる工夫が紹介をされております。

 この女性医師の活躍について、今後、具体的にどのように進められていくおつもりなのか、それについてお伺いいたします。

○二川政府参考人 女性医師の働きやすい環境整備についてでございますけれども、これまでも厚生労働省におきましては、女性医師の復職に関しての相談窓口を都道府県に設置するとか、あるいは院内保育所の整備、運営につきましての財政支援も行ってきてございます。それからまた、女性医師の就労あっせんといったことで、女性医師バンクの事業もやってきているところでございます。

 そしてまた、御指摘のとおり、この一月にまとめられました女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会、ここの提言をいただいているところでございます。また、ここにおきましては、現場の課題や取り組みを、好事例を集めるといったことをこの懇談会を通して行ったところでございまして、この好事例につきましては、現在、既に医療機関あるいは都道府県、いろいろな関係団体を通じまして広く周知をする、こういった事業を始めているところでございます。

 それから、平成二十七年度の新規事業といたしまして、この懇談会の提言も受けまして、復職支援から継続した勤務全体をパッケージとして行っていくということで、女性医師支援の先駆的な取り組みを行う医療機関をモデルとして選定して、そこでの取り組みをアピールするような形で進めていく、その機関自身もやっていただくんですけれども、それを厚生労働省としても支援しながらやっていく、それをまた広く、いろいろなところに広がっていくような取り組みとして進めていきたいというような事業をしているところでございます。

 こうした施策の実施に当たりまして、こういった懇談会報告書の内容を十分生かしながら、女性医師が働き続けやすい環境整備、具体的な策を努力してまいりたいというふうに考えております。

○古屋(範)委員 局長は非常にたくさんしっかり取り組んでいるようにおっしゃっているんですけれども、十年前に比べますと、あのとき何もなかったことを考えると、確かに少しはやっていらっしゃるとは思うんですが、院内保育所の整備や女性医師バンク支援についても、本当にまだまだ完備しているとは言えない状況だというふうに思います。

 今答弁の中でもおっしゃられていた事業なんですが、報告書の内容を具体化したモデルとして、女性医師キャリア支援モデル普及事業を立ち上げられています。本年度予算で約二千万ですね。たったの二千万。モデル医療機関として二カ所、全国でたった二カ所をやっていくということで、やらないよりはいいかもしれないんですが、非常に、形だけといいますか中途半端なものではないかという気がしてなりません。

 せめて、北海道・東北、あるいは関東そしてまた東京、中部、近畿、四国、九州とか、六ブロックごとに一カ所ぐらいはこうした女性キャリア支援モデル医療機関をつくるべきではないかというふうに思います。

 近年、女性医師確保対策というのは、全体のシーリングがかかり、削減をされていく方向にあると思います。ですので、どこまで本当にこれが成功し効果を上げていくのか、ちょっと疑問を抱くところでございます。

 また、これも今答弁で触れられていたんですが、女性医師バンクでございます。

 私も議員になりまして、こういうものをつくるべきだと提案をいたしまして、平成十八年度から、女性医師の復職、転職支援、女性医師バンクを医師会に委託する形でスタートされています。私もスタート時点で参りました。その途中経過も見に参りました。

 最初は、小児科を開業している保坂シゲリ先生という方なんですが、診療を終えて、夜の時間に電話をしたりパソコンをしたり、ほとんどボランティアのような状態でマッチングをやっている。これは余りにひどいんじゃないかということで、これも当委員会で取り上げて、コーディネーターの拡充、また予算も少し拡充をされて、約十年間、ここに至っているわけであります。

 しかし、これが、ことしの一月、総務省からの行政評価というものが出されました。女性医師バンクの就業あっせんの状況が、平成十九年度の四百四十二件から平成二十四年度に百七十八件と減少しているということが指摘をされていまして、就業成立も五十三件から三十六件に減少しているということでありまして、女性医師バンクでは、求職者が希望する就業条件に合った医療機関の紹介が十分にできていなかったことがうかがわれると言われております。就業成立一件当たりの単価が大幅に上昇しているということで、この女性医師支援センター事業の見直しを含め、効果的な離職防止、復職支援方策を検討することということで指摘をされております。

 確かに、この数字は数字なんですけれども、医師の転職というのは、普通の、いわゆる一般的な職業に比べて非常に難しいということが言えるのではないかと思うんですね。

 それで、こちらは単なるマッチングだけを行っているわけではありません。登録された求職者一人一人に対して、現役の医師である担当のコーディネーターがついて、さまざまな、個人の状況に合わせたサポートも行っております。

 各地も、開設当初はこれはなかったんですが、地域からの声を聞く、情報伝達、交換の機会の場として、女性医師支援センター事業ブロック別会議というものを開催しておりまして、また、医学生、研修医等をサポートするための会、女性医師の勤務環境の整備に関する病院長、病院開設者・管理者等への講習会など、多角的な支援を行っております。私もこの情報交換会には出席をさせていただきました。各方面の中心的な大学病院などが核となって、今いろいろな試みをしている。当時から考えれば、非常に大きく進んでいるということが言えるんだろうというふうに思います。

 効果的な離職防止、復職支援、これを検討していくというのは非常に重要なんですが、さらにこの女性医師バンクを生かしていく方向で、ぜひ厚労省としても指導、アドバイスをしていただきたいというふうに思っております。

 この二つの事業について、方向性をお示しいただきたいと思います。

○二川政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたとおり、女性医師バンク事業につきましては、従来から、厚生労働省の委託事業という形で、日本医師会において実施をしていただいております。

 女性医師支援センター事業全体として行っていただいておりますので、就労あっせんという事業に限らず、そういうブロック別の会議とか、個別の事情に応じたいろいろな研修その他、そういったような事業も含めてやっていただいているといったことで、この取り組みについては大変重要なものというふうに認識をしてございます。

 一方で、先生御指摘のとおり、総務省の行政評価におきましては、就労あっせんの件数が、まだ十分実績が上がっていないのではないか、こういったような御指摘があるのも事実でございまして、この点につきまして、女性医師の離職の実態、復職に関するニーズを十分把握していくように、こういった指摘も受けておるわけでございます。

 そういった点を受けまして、今年度、もう少しきめ細かく実態の方をよく調査した上で、この女性医師支援センター事業等に生かしていくといった方向で進めてまいりたいと考えてございます。

 また、一方で、先ほども御答弁申し上げましたところでございますけれども、この女性医師支援センター事業のこういった取り組みとあわせまして、新たなモデル事業、こちらにつきましても、ある意味先駆的な事業をしていただくというところを選んで進めていくということで、予算上は今年度は二カ所分ということでございますので、二カ所につきましてまず実施をしてまいりたいと思っております。

 こういった事業がうまく進んでいく場合には、さらに一層こういったようなものを拡充していくようなことにつきましても検討してまいりたいというふうに考えております。

○古屋(範)委員 ぜひとも積極的なお取り組みをお願いしたいというふうに思います。

 次に、仕事と介護の両立の支援についてお伺いをしてまいりたいと思います。

 予算委員会で、認知症対策について質問をいたしましたが、何せ十分間でしたので、なかなか細かいところまで聞くことができませんでした。介護が必要な家族、あるいは認知症の高齢者を抱えた家族が、仕事とどうやって両立をしていったらよいのか、これは本当に大きな課題だと思っております。

 厚労省のデータによりますと、働く人のうち、介護をしている人の割合というのが全体で四・五%に上っている、少ない数字ではございません。特に、五十五歳から五十九歳の年齢層では一〇・一%、約一割に上っております。十人に一人が介護をしている。

 この年代層になりますと、会社の中でもある程度大きな職責を担っているということですので、もしここが離職しなきゃいけないとなった場合には、我が国経済にも大きな影響を及ぼしていくだろうというふうに思います。高齢化がさらに進展をし、団塊の世代が七十五歳にこれから突入をしていく、また、希望者全員、六十五歳まで雇用を企業に義務づける改正高齢者雇用安定法が二〇一三年四月に施行されたことなどからも、働く人が介護を担うということが増加をしていくことが予想をされます。

 これは厚労省の委託で行われた調査でございますけれども、介護開始時に仕事をしていた人のうち、介護終了時までに一八・四%の方がやめています。それから、介護開始当時の勤務先をやめた人について、やめた理由。介護とは関係のない理由が三一・八%と多いんですが、次いで、介護による心身の負担が大きく仕事を続けられなかった、二五・九%。労働時間が長く、介護の時間を割けなかった、一六・三%。上司や同僚に迷惑をかけると思った、一五・五%というような結果が出ております。

 現在、仕事と介護の両立支援ということで、介護休業、また介護休暇、介護のための短時間勤務制度などの取り組みが行われておりますけれども、制度の使い勝手が悪いということから、介護休業取得者は三・二%、介護休暇も二・三%。非常にとっている人が少ないのが現実であります。

 また、介護により離職をする、その後の生活の見通しが立たないというふうな非常に大きな問題をはらんでおります。

 こうした介護と仕事の両立につきまして、私も、平成二十五年十一月に本委員会でこの問題を取り上げました。そのときに副大臣から、仕事と介護の両立支援対応モデルを構築して、平成二十六年度予算にその実証実験予算を盛り込んで、両立支援事業の拡充を図るというような答弁をいただいております。本年度六千七百万円の予算がついております。この進捗状況について、まずお伺いします。

○安藤政府参考人 御指摘の仕事と介護の両立支援事業でございますが、平成二十五年度に介護離職を予防するための両立支援対応モデルを作成いたしました。そして、平成二十六年度には、百社の企業を対象にこのモデルを導入するという実証実験を行いまして、その結果を踏まえて、企業における仕事と介護の両立支援実践マニュアルを作成したところでございます。

 実証実験に参加いたしました企業の従業員に対するアンケート結果では、現在介護をしている、または将来介護の可能性があるという従業員が、このモデルの一部でございます仕事と介護の両立のための社内研修を受講したその前後で、介護に直面しても仕事を継続できると思う、その割合が増加したというような成果が見られたところでございます。

 今後は、この実践マニュアル普及のために、人事労務担当者を対象にした研修の実施や、広く一般向けにシンポジウムを開催するなどして、これを広めてまいりたいと考えております。

○古屋(範)委員 ぜひ次の政策に生かしていただきたいというふうに思います。

 最後の質問になりますけれども、現行の介護休業制度でございます。

 介護の対象者ごとに通算九十三日まで認められておりますけれども、同じ病気で一回のまとめどりしかできない。先ほど申し上げたんですが、使い勝手が非常に悪いということで、なかなか利用する人が少ない状況でございます。

 さきの委託調査でも、介護のために連続して休んだ人の四割が、実は介護休暇ではなく年次有給休暇をとっているという結果が出ております。こうした年休、欠勤、遅刻、早退に依存させない、介護休業制度をより取得しやすくしていくということが何より重要であると考えます。

 介護経験者の多くが、介護休業制度による長期の休みを利用する選択をとらないものの、一日単位の年休などの、勤務先で付与された休暇を可能な限り使用することで何とか難局に立ち向かおうと頑張っているわけであります。こうした欠勤とか遅刻、早退は本来なら行うべきではありませんし、また、極めてこれは特殊な事態だというふうに思います。

 特に、介護が必要な中で、非正規雇用者という方が介護のためにやめざるを得ないというような結果も出ております。年休で介護に対応する者が多い正規雇用者に対して、年休を付与されていない非正規雇用者というのは、仕事を休む、欠勤のほかに選択肢がないということで、最終的には仕事をやめてしまうということにもなりかねないわけであります。

 具体的に、病気やけがに一回まとめどりしかできない現行の介護休業を複数回分割してとることができるようにする、あるいは、年五日までの介護休暇も細かく半日や時間単位で休める制度にする、このような改正が必要なのだというふうに思います。

 最後に、大臣の御所見を伺いたいと思います。

○塩崎国務大臣 育児休業・介護休業法で、平成二十一年の改正法の附則の中で、五年後の見直しということになっておりまして、昨年十一月から、今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会というのを開催しております。

 この研究会において、委員今御指摘いただきましたけれども、仕事と介護を両立できる環境整備に向けて、介護休業それから介護休暇、このあり方については、今お話がありましたように、分割取得とか時間単位での休暇の取得とか、柔軟な働き方の充実に資するような、そういう育児・介護休業法の見直しの検討を進めておるところでございまして、本年夏ごろまでに報告書を取りまとめるという予定になっております。

 こうした取り組みをしっかりやって、働く人たちが仕事と介護を両立しつつ、就業継続ができる環境整備を進めてまいりたいと思っているところでございまして、柔軟性が今まで少し足りなかったというのを私も何となくやはり見ていて、それはそうだろうなと、今の取得率を聞いてもそのとおりでありますので、しっかり検討してまいりたいと思います。

○古屋(範)委員 地域包括ケアシステムを進めていく上でも、ぜひそれと並行して育児・介護休業法の改正をすべきであるということを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

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