第189国会 厚生労働委員会 8号

平成二十七年四月十五日

○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。

 本日は、B型肝炎の関連、特に予防、また早期発見という観点から質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 本年一月になりますが、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会におきまして、B型肝炎ワクチンの定期接種化に向けた意見が取りまとめられました。

 このB型肝炎ウイルスに一旦感染をいたしますと、一部の人は、キャリアと言われる、ウイルスを体内に持ち続ける状態になりまして、このうちおよそ一〇%の方が慢性肝炎を発症して、肝硬変、肝がんに進行するリスクがあると言われております。特に三歳未満の乳幼児はキャリアになりやすいことがわかっておりますので、ワクチンを接種するということが重要になってまいります。

 WHOでは、一九九二年、全世界の国々に対して、生まれた子供全員にB型肝炎ワクチンを接種するように勧告をしております。二〇一三年までで、百八十三カ国が乳幼児の予防接種にこのB型肝炎を取り入れております。

 また、日本におきましては、一九八六年から始めました母子感染防止事業、これが大変大きな成果を上げております。これによりましてB型肝炎が大きく減ってきた。

 しかし、母子感染防止だけでは防ぐことができないということで、特に、B型肝炎は乳幼児期に感染すると慢性化しやすい、主な感染経路というのは出産の、母親の血液でありますけれども、それだけではなくて、そのほか、家族であるとか保育園の子供同士でも感染をするということがわかってまいりました。これは、すぐに赤ちゃんにワクチンを接種するということが有効であると思われます。

 このB型ワクチンが定期接種化されますと、ほとんどの感染が予防できる可能性が高まってまいります。子供たちの命を守るために、一日も早く定期接種化を実現すべきと考えます。

 この定期接種化には、およそ百九十億円必要とされるという試算がございます。しかし、国民一人当たり約百五十円程度の負担で、子供たちを、このキャリア、慢性肝炎、肝硬変、肝がんから守ることができるというわけでございます。財務省当局あるいは総務省等、関係省庁とも調整を進めていただいて、ぜひとも定期接種化を実現していただきたいというふうに思っております。この御所見を伺いたいと思います。

○塩崎国務大臣 今先生御指摘のB型肝炎ワクチンについてでございますけれども、世界のほとんどの国で小児に対して接種がなされておりまして、平成二十四年の厚生科学審議会においても、これまでの議論を踏まえて、医学的、科学的観点から広く接種を促進していくことが望ましいという提言をいただいているわけであります。

 先般、厚生科学審議会において、これは一月の十五日でございましたが、国民に対して広く接種機会を提供する場合の技術的な課題の検討を終えたところでございまして、厚生労働省としては、今後、B型肝炎ワクチンの供給・実施体制の確保、必要となる財源の捻出方法等の検討を行った上で、関係者の御理解を得るとともに、予防接種施策に対する国民の理解が得られるように協議を行ってまいりたいというふうに考えております。

○古屋(範)委員 ぜひ定期接種化に向けて御努力をお願いしたいと思います。私も、できることはしっかりさせていただきたいというふうに思っております。

 次に、もし定期接種化が実現した際の対象について聞いてまいりたいと思います。

 このワクチン分科会の検討結果では、対象として出生後十二月までというふうになっております。全体では三回の接種が必要ですので、生後二カ月、そして三カ月、七、八カ月という接種が標準的というふうになっております。三回接種するのに全体で五、六カ月かかってしまうということでございます。

 ですので、例えば二〇一六年四月から定期接種化が開始をされたとしますと、四月の時点でもう既に七カ月を過ぎているお子さんの場合には、一回目を接種しても、十二月までに三回の接種を終えることが難しいという事態が起こりますので、ぜひ、ここの件に関しては、三回目の接種が完了するまで、十二月を過ぎてもできるような検討をお願いしたいというふうに思います。

 また、このB型肝炎ワクチンの有効性について、続けてお伺いをしたいと思います。

 これにつきましては、急性B型肝炎の多くが青年期に発症してくるということで、ワクチンを赤ちゃんのときに接種しても、青年期以降も有効かどうかということであります。一旦免疫ができたとしても、時間が経過するにつれて徐々に薄れていくのではないかということで、厚生労働省の資料によりますと、抗体の量そのものは時間とともに減っていき、十五年から二十年くらいで半減するということが書かれております。諸外国でも、それぞれ民族が違うと思うのですが、ガンビア、台湾、米国、中国などでも、これに関する研究がされております。

 ぜひ、このB型肝炎ワクチンの効果持続性、また追加接種についても、あわせて研究をしていただきたいというふうに思っております。この点、いかがでございましょうか。

○新村政府参考人 お答えいたします。

 ことし一月に開催されました厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会におきまして、予防接種の対象となる年齢、今お話ございましたように、出生後から生後十二月までとすることとされております。現在、広く接種機会を提供する具体的な方法を含めて関係者と必要な調整を進めているところでございまして、御指摘の点も含めまして、今後、詳細を検討してまいりたいと考えております。

 また、ワクチンの効果の持続性の点でございますけれども、これまでの厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会における技術的な課題の検討におきましては、長期間にわたりワクチン接種によるB型肝炎の発症予防効果が証明されているということや、B型肝炎の定期接種を導入しているほとんどの国で追加接種を実施していないということから、現時点におきましては、予防接種を終了した者に追加接種を実施する必要性は低いとされておりますが、御指摘の点も踏まえまして、諸外国における知見などを引き続き収集してまいりたいと考えております。

○古屋(範)委員 ぜひ、この対象についても御検討をお願いしたいのと、持続性についてもさらに研究をしていただければというふうに思います。

 次に、肝炎ウイルス検査体制の整備についてお伺いをしてまいります。

 平成二十七年度の予算におきましては、この肝炎対策関連で百七十二億円の予算が盛り込まれました。肝炎ウイルス検査体制等の促進に三十四億円の予算をとっているところでございます。

 三月二十七日には、塩崎大臣の方から、B型肝炎訴訟における除斥、死亡、肝硬変の和解金額の合意について発表がございました。

 B型肝炎訴訟については、B肝の特措法に基づきまして、当委員会でも当時かなり議論させていただきましたけれども、和解手続が進められておりますけれども、死亡、肝がん、肝硬変の方々については、法制定当時、提訴者がいなかったために、法律に給付金の金額が定められておりませんでした。

 現在、裁判所の仲介のもとに、国と全国B型肝炎訴訟原告団、弁護団の協議が進められた結果、札幌地裁において、和解金額について合意がなされたということでございます。今後、この合意した内容に基づいて、迅速に和解手続を進めていただきたいというふうに考えます。

 あわせまして、肝炎ウイルス検査の状況を見てみますと、感染を知らないまま潜在しているキャリアの方々というのが、二〇〇〇年の時点で二百四十万人から三百五万人、二〇一一年は七十七・五万と減少しておりますけれども、検査の普及はまだまだだというふうに思います。問題は、検査結果が陽性であったとしても精密検査を受けない方々が、推定ですけれども、五十三万人から百十八万人もいるということでございます。

 厚生労働省も、検査促進のためにさまざまな取り組みをされていることと思いますけれども、これらの方々にぜひ継続的に受診勧奨を行っていただきたいというふうに思います。

 全ての都道府県、保健所設置市、また特別区の保健所等におきまして、無料でウイルス検査を実施できるようにする必要があるのではないかというふうに思います。また、お仕事している方などは、夜間ですとか土日、祝日など、検査をする時間帯も拡大をして、人員体制も拡充をしていく必要があるのではないかというふうに思います。

 この検査の体制整備についてお伺いをしたいと思います。

○永岡副大臣 先生御承知のとおり、肝炎ウイルス、これは感染していましても直ちに体調が悪くなるということではございませんで、やはり大変多くの方が感染していらっしゃるということがあるかと思うんですね。

 そこで、肝炎対策の基本指針というものがございまして、全ての国民の方が、少なくとも一回は肝炎ウイルスの検査を受ける必要があると定められております。しかしながら、なかなかそういうことができないというので、検査を受ける方が利用しやすいように考えまして、肝炎ウイルスの検査体制の整備、積極的な受検勧奨に努めているところでございます。

 都道府県とそれから政令市、特別区が実施するものにつきましては、全ての自治体で、保健所または委託しました医療機関のいずれかにおきまして、無料で検査を受けられることになっております。

 また、市町村ですけれども、市町村が実施します肝炎ウイルスの検査につきましては、ある一部の自治体におきましては費用を徴収しているという現状が実はございます。

 それと、これは利便性のことでございます。これは先生が先ほど御提案いただきました、肝炎ウイルスの検査が無料で受けられますように自治体に働きかけてまいりますとともに、土日、夜間の検診、また、出張型の検診の実施ですとか医療機関への委託の検診、それから検診の場の活用など、多様な選択肢を用意いたしまして、受診を受ける方の利便性に配慮してまいりたいと思っております。

 また、さらに、「知って、肝炎プロジェクト」といいまして、肝炎の総合対策国民運動事業というものがございます。これなどをもとにいたしまして、普及啓発を行うことに全力を尽くしてまいります。

○古屋(範)委員 御丁寧な答弁、ありがとうございました。さまざまな形で、ぜひとも検査体制の拡充を図っていただきたいというふうに思っております。

 最後の質問になりますが、きょうは中根外務大臣政務官においでいただいております。ありがとうございます。途上国に対するワクチン支援について、その資金協力についてお伺いしていきたいと思います。

 三月の初めなんですが、貧しい国に暮らす子供たちに向けてのワクチン調達のために、各国政府などが出資をしております国際組織、GAVIアライアンスが募る二〇一六年から二〇二〇年までの活動資金に関して、先進七カ国、G7の中で日本が唯一拠出を表明していないという報道がございました。日経を初め、それぞれの金額が出ておりまして、貧困対策に非協力的だとして、国際社会から非難の声が上がりかねない事態だという記事が出ました。

 もともと我が国はこの拠出が非常に低くて、ただ、今年度は、昨年度に比べまして約二倍の十七億確保していただきました。これは、外務省に対して大変感謝をしております。ただ、余りにも桁が違う額でございまして、これもやっとやっと、エボラ出血熱の問題があり、今まであった公衆衛生のインフラが壊れかねないということで、それに絡めて十七億、二倍の資金供与をお約束いただいたということでございます。

 年々に予算を組んでいくという日本のルールでは、長期で拠出額を明示することができないという、これは確かによくよくわかるところでもございます。しかし、今まで、長期的な資金供与を前もって宣言して、後に予算編成に反映させていくということもあったやに伺っております。

 このGAVIアライアンスというところは、所得の低い国々にワクチン供与していく組織でありまして、特に下痢、肺炎で亡くなる子供が非常に多い、このワクチンを配分して、そして、驚くほど安価な額で大量に購入して、より効率的に供与しているという国際組織でございます。

 この増資会合では、英国では約二十三億ドル、米国が八億ドルというような拠出、中国、韓国も拠出を決めております。途上国の予防接種の支援、保健システム強化の支援のために、ここへの資金供与をぜひとも頑張っていただきたいと思いますので、外務省、この宣言をしていただきたいと思います。

 あとまた、厚労省におきましても、世界の保健衛生の観点から、ぜひとも内閣においても働きかけていただきたいと思います。

 両省にお伺いしたいと思います。

○中根大臣政務官 ありがとうございます。

 我が国は、GAVIワクチンアライアンスに対して、初拠出の二〇一一年以来、御承知のように、過去四年間にわたりまして毎年拠出を継続してまいりました。

 古屋先生が御指摘のとおり、二〇一六年から二〇二〇年について、一月にドイツで開催されたGAVI第二次増資会合において、複数年度にまたがる形での資金約束は行ってこなかったものの、二〇一五年の拠出については前年比倍増ということで、これも額的にはまだまだというような御指摘もいただきましたが、発表をいたし、今後もGAVIへの関与について続けていく旨を表明させていただいております。

 GAVIワクチンアライアンスは、ポスト二〇一五年開発アジェンダの柱の第一、一番大きな柱の一つでもあるわけでございますので、保健分野での我が国の重要なパートナーであり、現下、大変厳しい財政状況であるものの、適切に貢献していきたいと思っております。

 委員が先ほど心配しています、日本の支援がきちんとしていないのではないかと国際社会から御指摘を受けないように、しっかりとやってまいりたいと思っておりますので、今後とも御指摘、御指導をよろしくお願いいたします。

○橋本大臣政務官 お答えをいたします。

 御質問をいただきましたGAVIアライアンスの件、私も直接、あるNGO団体の方からお話を伺っております。

 それも含めまして、子供向けワクチンの普及につきましては、国連ミレニアム開発目標に挙げられておりますそのものに資するわけでありまして、政府一体として推進しているところでございます。

 厚労省といたしましても、感染症対策について、WHOを通じた技術支援などを行っておりますとともに、やはりユニバーサル・ヘルス・カバレッジというものが推進されることが不可欠でございまして、WHOなどを通じてユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成の取り組みを積極的に進め、保健医療分野における国際貢献にさらに努めてまいりたい、このように考えております。

○古屋(範)委員 意気込みを伺わせていただきました。政務官、ありがとうございました。

 途上国における子供の命を守る。我が国では医療機関も整っておりますし、健診などもあります。しかし、途上国においては、いざ感染してしまった場合でも、そういう機会がないかもしれませんので、ワクチンの重要性というものが我が国とは格段に違うということが言えようかというふうに思っております。また、水平感染ということを考えますと、途上国の感染を防止していくことが、ひいては我が国の公衆衛生にも資するということになろうかと思います。

 ぜひともこの増資に対しまして積極的なお取り組みをお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

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